時間のない人のための、本気の英語学習法

こんにちは。無職です。*1

毎日時間が余ってます。

そんな私ですが、時間のない人のための英語学習法を書いてみたいと思います。

それなりに長いです。


ポイントは 3 つ。

  • 文を暗記する。
  • 空き時間に復習する。
  • 単語は詰め込む。

前提

まず前提として、語学学習には毎日一時間以上の学習時間が必要です。欲を言えば二時間。

なぜかというと、覚えたことはどんどん忘れるからです。

RPG で言うと、敵にちょこちょこダメージを与えても、その敵が自動回復していたらなかなか倒せないのと同じです。


まず、利用可能な時間は次のように分類できます。

  1. 本が読め、音声が聞け、声も出せる。(自宅)
  2. 音声が聞け、声が出せる。(洗濯物を畳んでいるとき、皿洗い中、慣れた道で車を運転しているとき)
  3. 本が読め、音声が聞ける。(公共交通機関)
  4. 音声が聞ける。(歩行中)
  5. 上記のどれもできない。(プール・風呂など)

タイプによって、それぞれ適した勉強方法があります。

基本として、自由度の低い時間にできることを自由度の高い時間にしないようにします。

本が読め、音声が聞け、声も出せる時間にするべきこと

なんといっても暗記です。

なぜかというと、暗記というのは、本が読めて、声が出せないとできないからです。

通勤時間に暗記するというのは現実的ではありません。


暗記は外国語学習に欠かせません。

一日に30分は時間をかける必要があります。

そういうわけで、自宅での空き時間を 30分は用意してください。


ここで勧める暗記には二つのタイプがあります。

(1) 文章の暗記

(2) 短文の暗記

それぞれ使いどころが違います。


まず、文章の暗記について。

これは雑談のネタにするためです。

いくら独学で頑張るといっても、どこかの段階でネイティブと話すことは必要です。

ですが、話すネタがない・あっても表現が浮かばないようだと、時間の無駄になってしまいます。

そういうことを防ぐために、あらかじめ一般的に話題になるようなことを頭にインプットしておきます。


外国人との雑談で話題になるようなことというのは、主に次の二つです。

[1] 自分や家族の生活や趣味など。

[2] 日本について。

それぞれ、対応する暗記用教材があります。

日本のことを1分間英語で話してみる
広瀬 直子
中経出版
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それぞれの教材に、80個の例文があります。

160個の例文を覚え終わっているのに英語がまったく話せない自分というのがイメージできるでしょうか。

もちろん、そんなことはありえません。

これらの教材については村上式シンプル英語勉強法でも取り上げられているようです*2


問題点として、長文暗記はモチベーションの維持が大変だということがあります。

覚えた内容を聞いてくれる人がいるというのが理想です。


次に、短文の暗記について。

語学教材には、日本語が流れ、しばらく無音時間があり、それから外国語が流れるというタイプのものがあります。

このタイプの教材を使って、日本語を聞いて、自分で外国語を言って、それが正しいということを確認すると、話すことに対する自信をつけることができます。

この話すことに対する自信というパラメータは語学学習の中でかなり重要なので、意識的に上げるようにします。


英語でこのタイプの教材というと、次のようなものがあります*3

どんどん話すための瞬間英作文トレーニング (CD BOOK)
森沢 洋介
ベレ出版
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これを聞きながら、すぐに答えられたら、それだけで自信がつきます。

ただ、いくら簡単だといっても、必ずしもすぐに答えられるわけではありません。

そのため、確実に答えられるように、一度暗記の段階を作ります。


1課分まるごと覚えていたら、日本語を聞いたら英語が言えるのは当たり前ですね。

チートのようですが、答えられたということで話すことに対する自信はちゃんとつきます。

暗記といっても、日本語を聞いて思い出せればいいので、丸暗記よりはだいぶハードルが低くなります。

音声が聞け、声が出せるときにするべきこと

洗濯物を畳んでいるとき、皿洗い中、慣れた道で車を運転しているときなどですね。

この時間にできることは、短文暗記の復習です。

上で挙げた「日本語-無音-英語」タイプの教材を聞き、日本語が聞こえてきたところで対応する英語を言います。

せっかく声が出せる時間なので、「話すこと」に対する自信をつけるようにします。


あと、英語がまったくできない、本当にゼロという人には、ピンズラーという教材がおすすめです。

以前の記事でも書いたことがあるのですが、指示に従って考えて返事するだけで力がつきます。

これはもんのすごく高い教材なんですが、今の法律では、たとえばオークションで中古で買って、勉強し終わってからまた中古で売っても法律違反になりません。

どうしてこういうことになっているのかはよくわからないですが、利用してもいいんじゃないでしょうか。

ヤフオクの検索結果を載せておきます。

CD だと 15枚組なので、リッピングするのも大変ですが、CD から直接聞いて勉強すると決めたら、終わるまで売れないのでモチベーションの維持にもいいかもしれません。

本が読め、音声が聞けるときにするべきこと

この時間にできることは、読解と単語学習がメインになります。

ただ、読解には単語を知らないと読めないという問題点があります。

1段落読むのに知らない単語が 10個もあったらどうしようもありません。

そういうわけで、まずは単語学習から。


実感として、読解にある程度困らない語彙数というのは、8000語程度です。

この 8000語というのは、「英語が出来る」ために結局どれくらいの単語力が必要なのかでも検証されています。

もちろん、重要なものから覚える必要があります。


英語以外の外国語では、そんな語数の市販の単語帳というものはないので*4、ここが大きな問題になります。

ですが、英語に関しては、アルクレベル別語彙リスト SVL12000というものを作ってくれているので、これを使うのがいいと思います。

アルクはこの SVL12000 に基づいた教材を数多く出しているのですが、私は iPhone アプリを使いました*5

このアプリのいいところは、選択肢問題だけでなく、単語を自分で入力する段階があるところです。

といっても、キーボードからではなく、画面上に表示される 4つのアルファベットの中から選ぶようになっています。

もちろん発音もあります。

イヤホンをつけて電車の中でやるのがいいでしょう。

Android版もあるようです。


とにかく、8000語程度は何も考えずに覚えてしまったほうがいいです。

音声が聞け、声が出せないときにするべきこと

歩行中などです。

この時間は、やはり短文暗記の復習がいいでしょう。

音声を聞きながら、日本語に対応する英語を心の中で言います。

ただし、声が出せない分だけ効果は下がります。

上記のどれもできないときにするべきこと

プールや風呂に入っているときです。

この時間は、長文暗記の復習に向いています。

私は毎日プールに行っているのですが、泳ぎながら前日までに暗記した内容を頭の中で復習しています。

調整

以上は原則です。

実際の生活では、それぞれの時間の量や気分などにばらつきがあるので、調整を加えます。

長文を頭の中で復習するのは風呂の中でもできるけれど、風呂のときぐらいゆっくりしたいから、歩いている時間にするとか。

私の場合、皿を洗うとき(本来、本が読めない時間)に、本を立てておいて暗記するということもよくあります。

よくありそうな質問など

暗記なんてよっぽど意志の力が強くないとできないんじゃない?

その通りです。

でも、意志の力を鍛えるのはこの記事の範囲を超えるので、それ用のサイトを探してください。

ただ、最初は馬鹿馬鹿しいほどの少量から始めるのも手です。

たとえば、1日 1文とか。

慣れてからペースを上げるといいでしょう。

英語ができる人の話を聞くと、読書や映画鑑賞だけって人が多いけど?

実際そうです。

私も、高校時代はドリトル先生シドニー・シェルダンなどから始めて、多くの本を読んで、それだけで TOEIC 900点は取れました。

ただ、それは若さゆえのがむしゃらさ・記憶力があったからじゃないかなと思います。

年を取ってからでは、本だけ読んでも単語が全然頭に入ってきません。

人工的に流し込んで、それを読書で確認するほうが効率的です。

文法は?

文の構造が理解できていないと、暗記しようとしても頭に入りません。

頭に入ってこない文にぶつかったら文法の勉強をするというのでもいいと思います。

英語力も大事だけど、下手でも話せる度胸が大事じゃない?

それはそうだと思います。

私は、性格的な問題でなかなか積極的に話すことができません。

ただ、性格を変える決まった方法はない*6のに対し、英語力はある程度決まった方法で上げられるので、こちらを何とかするほうがいいと思います。

英語ができたって人生うまくいくとは限らないんじゃない?

そうですねぇ。

私は TOEIC で 950点取りましたが、人生まったくうまくいっていません。

何とかならないでしょうかねぇ。

英会話学校は?

とりあえず、この記事の一読をおすすめします。

英会話学校というのは、オフラインオンライン問わず、それだけで力をつけるのには不足です。


ただ、英会話学校にも効果的なところがあります。

それは、通じた実感です。


脳というのは疑い深いもので、例文で覚えただけでは信じてくれません。

たとえば、"tell ... off" というのは「〜を叱る」という意味なのですが、本やネットでそう読んでも、頭のどこかに「本当かな?」という疑いが残ります。

でも、"My father told me off for ..." といった文をネイティブに対して話して、相手が「うんうん」とわかってくれると、脳は「あ、これ通じるんだ」と認識してくれます。

そういう意味では、オンラインよりリアル、非ネイティブよりネイティブがいいのですが、価格との兼ね合いで考えるといいでしょう。

最後に

語学をやっても、日本語で話ができない人ができるようになったり、残念な人生が残念じゃなくなったりはしないですが、英語力が必要だという人は参考にしてみてください。

人生が残念で、英語力があっても役に立たないという人でも、TOEIC でいい点を取ったりしたら残念な人生から目をそらせるのでおすすめです。

*1:3月から働くことになりましたが。

*2:私は読んでいません。

*3:シリーズなのでほかにもいろいろありますが、これが基本です。ちなみに、日本語がちょっと残念なところがありますが、実用的には問題ないでしょう。

*4:暮らしの○○語単語8000みたいなものはバランスが取れていません。

*5:私は12000語レベルを使いました。

*6:人格改造セミナーってどうなったんでしょうね。