「日本国語大辞典」、通称「日国(にっこく)」という辞書がある。
この辞書は全14巻、その規模・充実度は他の追随を許さない。
といっても、全14巻・220,500円だけの空間と金銭を用意するのは簡単ではない(特に前者)。
せめて 1巻だけでもと購入した人もいて、記事を読むとその陶酔具合が伝わってくるが、ぼくにはなかなかそれすらもできず、ジャパンナレッジに年会費 15,750円(ちょうど日国 1巻分だ)を納めてネットで使っている*1。
ただ、その人のこの言葉はいただけない。
この大著の中に載録されていない日本語は、すなわち日本語ではないということなのだよ、君。
http://d.hatena.ne.jp/the-world-is-yours/20110530/p2
いや、どんなに優れた辞書であっても、それは言葉を映す「鏡」にすぎない。
鏡と実態に違いがあったら、間違っているのは常に鏡で、実態のほうではない。
実際に、日国に載っていない言葉は多くある。
2000年に出たものだからそれ以降の言葉が収録されていないなんていう当たり前の話ではなく、昔からある言葉の中にも漏れているものが見つかる。
このことは、日本語用言リストを作ったときに気がついた。
「あれ? この単語のこの語義が日国にないな」「この複合動詞は意味からすると辞書にあってもいいんじゃないか」というものがちょこちょこあった。
日国には「日国友の会」というサイトがあり、書籍の用例さえあれば新語や新しい語義などを投稿できるので、最初は見つけるたびに投稿していた。
しかし、それではらちがあかないので、用言リストを作り終えた段階で日国にないものをチェックして一気に投稿することにした。
それが今年の 2月のこと。
そのときの大量投稿が時間をかけて徐々に消化され、2013年7月30日現在、少し過去ログを見ると、投稿者が「竹田」*2となっているものが多く表示される。
そのリストは次のようなもの。
わしづかむ【鷲掴】
わきおこす【沸起・湧起】
わきあげる【沸上・湧上・涌上】
わかちもつ【分持】
レズる
リカバる
らちる【拉致】
よみかつ【読勝】
よびもとめる【呼求】
よびしたう【呼慕】
よびあらわす【呼表】
よってたつ【拠立・依立】
よせあげる【寄上】
よせあげる【寄上】
よじりあわせる【捩合】
よがりなく【善泣・良泣・好泣】
よがりなき【善泣・良泣・好泣】
よがりくるう【善狂・良狂・好狂】
ゆさぶりおこす【揺起】
やりにげる【遣逃】
...
いかにも普通そうな単語から、妖しげな雰囲気をまとった単語まで。
これらをいくつかのパターンに分類してみる。
複合動詞
まずは、一番つまらないものから。
「わかちもつ」「よびもとめる」「よびしたう」「よじりあわせる」「ゆさぶりおこす」のようなもの。
「ゆさぶりおこす」なんて、「ゆさぶる」+「おこす」なんだからいらないんじゃないの? と考える人もいると思う。
意味としてはそうだ。
しかし、「〜おこす」という組み合わせは自由に作れるわけではない。
たとえば「たたきおこす」という動詞があるが、これの「たたく」を「殴打する」に置き換えて、「殴打し起こす」のように言えるかというと、これは言えない。
だから、「〜おこす」は固定した組み合わせで、列挙可能だ。
そして、実際に日国にも「ゆすぶりおこす」「ゆすりおこす」のような組み合わせはすでに載っている。
つまり、これは単純な漏れだということだ。
用例も見つかる。
もう寝ていた八重子を揺さぶり起こした。
(「運命の星に泣かされて」2002年 岩船 安代 108p・文芸社)
これはもちろん、この著者が間違った日本語を使ったということではなく、日本語話者が使う言葉を日国が収録しきれていなかったということになる。
ところで、「〜おこす」は自由に作れない組み合わせだが、自由に作れる組み合わせというものもある。
「〜しそうになる」という意味の「〜かける」はそのひとつ。
「腹が立って殴りかけた」のように言うこともできるし、「殴打しかけた」と言うこともできる。
もちろん、そのようなものはひとつひとつ辞書に登録してはいけない。
それをすると、「転びかける」「落ちかける」「漏らしかける」のようなものをすべて列挙するハメになるからだ。
複合動詞の中では、「しらべだす」なんていう意外なものもあった。
「調べ始める」という意味は特筆性がないが、「調べて結果を得る」という意味のほうは自由に作れる組み合わせではないので、「さがしだす」「みつけだす」などと同じように辞書項目であるべきところだ。
名詞の動詞化
これは、以前「地味すぎて気づかれにくい日本語の変化」という記事で取り上げたもの。
「わしづかみ→わしづかむ」のようなもの。
これは相当な数がある。
前に挙げた「からぶる」「かいごろす」「くるいざく」のほかにも、「えびぞり」→「えびぞる」、「かさねぎ」→「かさねぎる」、「さきぼそり」→「さきぼそる」、「さきのばし」→「さきのばす」、「したざさえ」→「したざさえる」、「なきねいり」→「なきねいる」なども。
意外なところでは「ねびく」もこの系統で、使われるようになったのはつい最近のことだ。
「おしきせ(お仕着せ)」から「おしきせる」ができ、さらに「押し着せる」という表記が生まれているのも面白い。
自動詞・他動詞の転換
これも同じ記事に書いた。
他動詞があるところに対応する自動詞が生まれたり、逆に自動詞から他動詞が生まれたりしたもの。
「くみかえる」→「くみかわる」、「くりひろげる」→「くりひろがる」、「そぎおとす」→「そぎおちる」、「たれさがる」→「たれさげる」、「のぞきみる」→「のぞきみえる」など。「たべのこす」→「たべのこる」なんていう、個人的に多少違和感のあるものもあった。
強調表現
「ぶんなぐる」の「ぶん」は強調の接頭語だが、このような接頭語は自由につけられるわけではない。
たとえば、「なめる」を強調しようとして「ぶんなめる」のようには言えない。
つまり、有限であり列挙可能だということだ。
こういう強調表現で、日国に載っていないものは多くある。
「ぶっこく」「ぶんむくれる」「ぶっさす」「ぶったるむ」など。
まあ上品な言葉ではないが、れっきとした日本語の一員なので、もちろん辞書にも載せられるべきものだ。
「ぶっこく」には、「いい年こく」の強調の「いい年ぶっこく」のような面白い用法もある。
外来語由来の動詞
「サボる」←「サボタージュ」の例のように、外来語から用言が生まれることは頻繁にある。
「スタンバる」←「スタンバイ」、「アピる」←「アピール」、「コピる」←「コピー」、「テロる」←「テロ/テロル」、「ディスる」←「ディス」、「ネゴる」←「ネゴシエーション」、「バズる」←「バズ」、「パニクる」←「パニック」、「パロる」←「パロディー」など。
形容詞でも、昔からある「エロい」のほかに、「グロい」「マゾい」「エッチい*4」などが生まれている。
漢語由来の動詞
二音の漢語に「る」がついて動詞となるもの。
日国第二版にも載っている「事故る」のほかにも、「拉致る」「拒否る」などがある。
「きょどる」←「挙動不審」のように、無理やり二音に収められたものも。
漢字二文字のもののほかに、一文字の「告る」「没(ぼつ)る」などもある。
変わったところでは、三文字の「修羅場る」もある。
擬音語・擬態語由来の動詞
「かくかく」→「かくつく」、「ぎとぎと」→「ぎとつく」、「ぬめぬめ」→「ぬめつく」のようなもの。
よくカタカナで書かれる、画面がスムーズに動かない様子を表す「カクカク」は、擬態語自体が新しいもの。
ネット用語
「がんがる」のようなもの。
それほど多くは見つからなかったが、「ディスる」「バズる」などは外来語由来であると同時にネット用語でもある。
意外なところでは「さらしあげる」も新しい。「晒しage」からだろうか。
「電凸(電話突撃)」をするという意味の「とつる」というものもある。
語源から言うと「突る」だが、「凸る」の形で投稿した。
専門用語
プログラマや SE といった仕事をしていると「ひもづける」「ひもづく」といった言葉に違和感がないかもしれないが、これは元は業界用語のようなものだ。
このほか、「サチる」(飽和する)というものも、化学系から機械学習などまで広い分野で使われる。
(「セグフォる」(SEGVる)というのも投稿したかったが、残念なことに書籍に用例が見つからなかった)
ほかにも、各分野にいろいろな専門用語がある。
囲碁の「こすみつける」「かけつぐ」*5、麻雀の「ツモる」、演劇の「ばみる」、競馬の「ずぶい」など。
「(車体を)たおしこむ」というのはほとんどバイク関連でのみ使われるので、これも専門用語といえるだろう。
卑語・俗語
あまりにも卑俗すぎて収録されてなかったんじゃないだろうかと疑うようなもの。
たとえば、「ぬく」「しこる」の特定の意味は日国に載っていない。
しかし、少なくとも男なら誰でも知っている言葉だし、探せば本にもある。
外来語由来の「オナる」や、名詞動詞化の「せんずる」なども。
また、複合動詞の「やりにげる」「よがりくるう」「よがりなく」のようなものも載っていない。
このほかにも、そこまで俗でもなく普通に使われる「けばい」「ちゃらい」「もさい」なども未掲載。
「きめる」の語義に「麻薬をキメる」というものもない。これは自他転換を起こして「キマる」という形もできている。
複合動詞の世代交代
「たべる」というのは、古くは「くう」の謙譲語・丁寧語だったそうだ。
それが今では謙譲・丁寧の意味はほとんどなくなり、「くう」に取って代わって普通の語彙としての立場を確立している。それに押し出される形で、「くう」は今では俗語という感覚が強い。
それに伴い、複合語の中の「くう」が「たべる」に変わったものが徐々にできつつある。
「たべつなぐ」「たべはぐれる」などがそうだ。これらは「くいつなぐ」「くいはぐれる(くいっぱぐれる)」の「くう」が「たべる」に替わったものだ。
「むさぼりたべる」というものもあった。「たべる」から丁寧語という意識が消えているということだろう。
このほか、「まちがう」→「まちがえる」の移行に伴い、「まかりまちがう」→「まかりまちがえる」という形もできている。
音のバリエーション
日本語の用言には、清音と濁音・半濁音が入れ替わったり、促音が入ったり入らなかったりするものがある。
「ひらべったい」(濁音)に対する「ひらぺったい」(半濁音)など。
個人的にこれは思い入れ深い単語。
子供のころに読んだ「カレーの王子さま」という漫画に「きしめんはなにゆえひらぺったいのだらう」という手描き文字があって…(なぜカレーの王子さまできしめんなのか、その辺りは読めばわかる)。
まあ、それは置いといて。
ほかには、「とちくるう」というものもある。
これは「何をトチ狂ったのか」のような形でよく使われるけれど、これは日国では「とちぐるう」という形で載っている。
歴史的にはそちらが主流だったころもあったのかもしれないが、現代に育った自分としては、ぜひ「とちくるう」を掲載してほしいところなので、仮名で書かれている用例を頑張って探して投稿した。
また、「うれえる」に対する「うれいる」、「うらぶれる」に対する「うらびれる」など。
こういう微妙な違いは「誤用」と片付けられてしまうことも多いが、古くから脈々と続いているものだ。
このほか、「びんぼうくさい」に対する「びんぼくさい」のようなものも投稿した。
名詞+形容詞の一語化
前の段落で何気なく使った「思い入れ深い」。
これも日国には載っていない。
「あじわいぶかい」などは載っているので、「〜ぶかい」を載せないということではない。
「おもいいれぶかい」は比較的新しいということだろう。
このようなものは数が多い。
「いんしょうぶかい」は載っているのに、「がんちくぶかい」「じょうちょぶかい」はない。
「〜ぶかい」のほかにも、「きれあじするどい」「こしきゆかしい」なども現代語の感覚では一語じゃないかと思えるもの。
「ほまれだかい」というのは特に面白い。
元々は「名作のほまれ(が)たかい」のように「(名詞)のほまれ」部分がひとかたまりという意識で使われていたものが、次第に「ほまれたかい」の部分がひとかたまりのように意識されるようになり、さらに連濁を起こして「ほまれだかい」となり、完全に一単語としての立場を確立したということだろう。
このほかにも、「おとなかわいい」「じみかわいい」や、「しおからい」に似た「しょうゆがらい」のようなものもある。
重ね型
新しい形容詞として面白いものには、「にくにくしい(肉々しい)」「メカメカしい」がある。
「にくにくしい」は最初に聞いたときには「憎々しい?」とかなり違和感があったが、今ではすっかり定着している。
「メカメカしい」も同じような構成だ。
このような、名詞を重ねたもの+「しい」という構成の形容詞は、「ばかばかしい」「どくどくしい」「よそよそしい」などがある。
形容詞語幹を重ねたもの+「しい」を含めると、「いたいたしい」「おもおもしい」など、枚挙にいとまがない。
そう考えると、「にくにくしい(肉々しい)」「メカメカしい」などは新しくて古い形の形容詞といえるかもしれない。
新しい補助動詞
補助動詞というのは、ほかの動詞に続いて使われ、元の意味が薄くなっているもの。
「よみおえる」の「おえる」、「たべはじめる」の「はじめる」など。
「〜おえる」「〜はじめる」は自由に作れるので、人間の辞書に「よみおえる」「たべはじめる」などは掲載されない。
しかし、補助動詞のようなものでも自由に作れないものもあり、そういうものは辞書の項目になりうる。
上でも挙げた「〜しそうになる」という意味での「〜かける」は自由に作れるものだが、(人に)「わらいかける」のような「対象に向けて何かをする」という意味の「〜かける」はそうではない。
「ほほえみかける」は「相手に向けてほほえむ」という意味も持つが、「微笑しかける」とすると「微笑しそうになる」という意味だけになる。
つまり、「ほほえみかける」は辞書項目だということだ。
補助動詞の中には、最近になってからよく使われるようになったものもある。
「〜急ぐ」というのは「急いで〜する」という意味だが、日国に載っているのは「いきいそぐ」「うりいそぐ」「しにいそぐ」などの一部だけ。
だが、最近では「せめいそぐ」「なげいそぐ」「はなしいそぐ」「かきいそぐ」など、多くの形ができている。
これはかなり自由に作れるようだ。完全に自由になったら、「いきいそぐ」などを含めて、個別に辞書に載せるものではなくなっていくのかもしれない。
ほかには「〜勝つ(負ける)」も新しい。
「よみかつ」(相手よりも多く読むことによって勝つ)、「よみまける」のようなもの。
「なぐりかつ」「なぐりまける」「なげかつ」「なげまける」のほか、「かいまける」(物を買おうとするものの、別の買い手が提示する高値に追随できず、買うことができない)というものもある。
意味の派生
「あいしあう」という動詞がある。
これが「お互いに愛する」という意味なら、「反対し合う」「牽制し合う」と同じように、辞書に載せる必要はない。
しかし、「あいしあう」は独自の語義を発達させている。
次の例文を見ればすぐにわかる。
愛し合うときに「電気は消して」という女性が多いかと思います。
(「一行力」2004年 岩永嘉弘)
これは「お互いに愛する」という意味では解釈できない。
このようなものは、もちろん辞書に載せる必要がある。
「すみわける」というのも、生物の「すみわけ」から商業的な意味の「すみわけ」に意味が広がっている(これは名詞動詞化の例でもある)。
また、「名詞+形容詞の一語化」で取り上げた「きれあじするどい」も、「切れ味鋭い意見」といった派生的な用法が多い。
転訛
「くずおれる」という動詞は、昔に遡ると「おれる」というニュアンスはなく、「衰弱する」という意味が主なものだった。
しかし、近世になって「くず-おれる」と解釈されるようになり、「くず(づ)折れる」という表記も多くなる。
ここから「くずれおれる」という形も生まれる。国語純粋主義者の立場からすると許しがたいかもしれないが、川端康成の「雪国」にも出てくる。
鏡台の前に崩れ折れると、をかしいほど一時に酔ひが顔へ出た。
弘法も筆の誤りだ、作家だって間違えることもある…という立場もあるかもしれないが、ぼくとしては「くずれおれる」は日本語の一員だという立場をとりたい。
また、「あげつらねる」というものもあった。挙げる+連ねるという形をとっているが、直感的には「あげつらう」からの影響もあるように感じた。
ちょっと変わったものとしては、「あらぶる」がある。
これは「あらぶ」という上二段動詞が古い形で、それの連体形が「あらぶる」。
「あらぶるかみ(荒振神)」の形でよく使われていた。
元は上二段動詞なので、そのまま現代語にすると「あらびる」(あらびない、あらび…)という一段動詞になるところだが、ラ行五段の「あらぶる」(あらぶらない、あらぶり…)という形になっている。
これは「あらぶるかみ」のような連体形で使われることが多かったことによるものだろう。
その他
用言を投稿するなかで、「あれっ、これがないのか」というような名詞その他もあったので、それらもまとめて投稿した。
印象深いのは、「びいちく」「ぱいおつ」「たまきん」「ぽこちん」「こうまん」。
平仮名で書くと何かと思うが、カタカナで書くとビーチク、パイオツ、タマキン、ポコチン、コーマン。
それぞれ乳首・おっぱい・金玉・チンポコ・まんこの倒語。
これらは特に 1960〜70年代に流行したもののようだ。
これらも相当に俗な言葉だが、未来の人間が1970年代〜現代の俗語を知るためには必要なものだろう。
Google Books では用例が見つけられなかったが、「バーチャン」→「チャンバ(ー)」というものもある。
この知識が失われたため、「アイツの噂でチャンバも走る」という歌詞が謎に包まれたままになりかけるということもあった。
こういったものは数が多く、「ザギン」「ギロッポン」といった地名や、「シースー」「チャンネー」といったものを列挙していくときりがないようにも思えるが、それでも自由に作れるわけではない。たとえば「チンポコ」→「ポコチン」や「まんこ」→「コーマン」はあっても、「ちんこ」→「コーチン」は使われない*6。自由に作れない以上は有限なので、できる限り掲載するのがいいんじゃないかと思う。
用言リストから日国に未掲載のものを選ぶのには、「ATOK に変換させてみる」という手段をとった*7。
リストの仮名をローマ字にして、Windows 上で WSH で変換させて、変換できなければそれは辞書に載っていない確率が高いんじゃないか、という大雑把なもの。
それでも、このやり方はかなりうまくいき、670語程度の用言を投稿することができた。
ATOK にあって日国にないようなものはカバーできていないことになるが、ATOK にあるような言葉なら遅かれ早かれ誰かが投稿するだろう。
元となる用言リスト自体を作ったときは、もちろん機械的な収集をする段階もあったけれど、全体の労力の 99.9% は「目で見て人手で確認すること」だった。
だいたいは Google Books の検索だったけれど、それでも人間の判断は外せない。
わかりやすい外来語由来の新動詞ならまだしも、どの複合語が独自の意味を持つかなんて、どこのコンピュータが判断してくれるんだ?
そういうことが可能になる時代というのは、コンピュータが人間の代わりに人間の言葉で国語辞典を書いてくれるような時代じゃないだろうか。
そういう日が来るかどうかはわからないが、とりあえず現時点では、国語辞典は人間が(コンピュータを補助として使いながら)作るしかない。
今回投稿した 670語ぐらいのうち、どれだけが見出しとして採用されるかはわからないが、少しでも日本国語大辞典のためになれたとしたらうれしい。
(ちなみに、投稿したもののリストはここ]に置いてある。)
*1:諸外国語辞書なども入っているので個人的にはちょうどいい。
*2:本名は竹田ではない。プロフィールに書いてある。
*3:もっとも、機械用の辞書ではそういう過ちを犯しているものがある。UniDic がそうだ。この辞書では「落ちかける」を載せている。こういうものを入れるなら、当然「転びかける」「漏らしかける」なども入れないとおかしいだろう。もちろん、「砕けかける」のようなマイナーなものも存在する以上は入れるべきだ。結局、全動詞+「かける」を入れるまで終わらない。ご苦労なことだ。まあ機械的にやっているから苦労はないのかもしれないが、更新するたびにゴミが増えるだけだろう。
*4:個人的には平仮名で書きたいところ。
*5:カタカナ書きが多い。
*6:探したらあるかもしれないが。