裸の王様

http://distilleryimage1.s3.amazonaws.com/753824a64eb511e19896123138142014_7.jpg
Social Media Explained a la @ThreeShipsMedia http://instagr.am/p/nm695/


Google+ ってコンテンツ力高いよね。
自分の人生がうまくいっていないように感じる時、世の中にはもっとうまくいっていないものがあると思わせてくれる秀逸なコンテンツ。


GoogleGoogle トレンドというサービスをやっている。
どういうキーワードが検索されているかが一目でわかって面白い。
複数キーワードの比較もできる。
これで、"Google+,tumblr" で検索した結果がこれ。


自然な増加を示している赤に対して、青の打ち上げ花火っぷりが半端ない。
もちろん青が Google+


ところで、TechCrunch 日本に速報:ラリー・ペイジ、Google+ユーザーが9000万人突破と発表―60%が毎日利用という記事がある。

全ユーザーの60%が毎日G+を利用しており、 80%が少なくとも週に1度訪問しているという。驚くべきことに、これはFacebookのエンゲージメントより高い。

んなアホな。


こんな記事がある。
Pinterestの人気が急上昇:サイト誘導率でGoogle Plusを上回る
http://www.takashimedia.com/blog/wp-content/uploads/2012/02/January-2012-Referal-Traffic.jpg
ここでは記事タイトルの Pinterest ではなく、FacebookGoogle+ に注目してみる。
Facebook のアカウント数は全世界で約9億ぐらい。
Google+ アカウント数は9000万以上とのことなので、利用率が Facebook 以上に高いなら、1/10以上のトラフィックがあってもいいはず。
しかし、実際は 26.4%:0.22% と、1/100 にも満たない。


上記 TechCrunch 日本版記事の原文を見てみる。

+users are very engaged with our products ― over 60% of them engage daily, and over 80% weekly.(+のユーザーはとても我々の製品[複数形]に関わっている。60%以上が毎日、80%以上が週に1回以上使っている。)

この "our products" の示すところは Google の諸サービス(ウェブ検索、マップ、Gメールなど)であって Google+ ではないと記事では推測していて、

The wording is confusing, and seems purposefully misleading if he means the former. (人を混乱させるような言い方で、もし前者であるなら意図的にミスリーディングであるように思える)

と書いている。

トラフィックのデータからしても、前者であることは明らかだろう。
意図的にミスリーディングな発表をしているということだ。
TechCrunch 日本版が

全ユーザーの60%が毎日G+を利用しており

と誤訳するのも無理はない。
誰が、あえてそんな不誠実な言い方をすると思うだろうか。
まさに「大本営発表」。


ところで Larry Page は "super excited" らしいが、これはどういうことだろうか。
いくつかの可能性を考えてみた。

  1. もし Larry Page が、筆者にもわかるような Google+ の実際の状況(Google トレンドやサイトへのトラフィックが示すようなもの)について知らないとしたら、それは彼が非常に愚かだということだ。
  2. もし彼が、実際の状況について知った上で、わざとミスリーディングなことを言っているとすると、彼が意図的に不誠実であるということで、Google の "Don't be evil" というスローガンが有名無実化しているということになる。
  3. もし彼が、実際の状況について知った上で、本当に "super excited" だとすると、彼は現実を直視できていないということになる。

また、Larry Page が(愚か|不誠実|妄想的)だということは、彼の周りの人間が、彼がそうであることを止められていないということを意味する。
ということは、Google という会社の体質にも問題があるということじゃないだろうか。
うまくいっていないものに対する批判がしにくい空気があるとか。


まあ、自分は仕事を離れた個人としては Google とはまったく関係ない(Google と個人として関係があるというのはどういうことだろうか。Larry Page と知り合いとか?)のだが、何となく思ったことを書いてみた。